どこかの日記で紹介されていたので知ったのだけど、12月上旬に気になる一冊が刊行される。
谷沢永一 『紙つぶて』 文藝春秋ISBN:4163677607
ぼくの持っているのは78年に文春から箱入り装幀(箱裏面には山崎正和氏・丸谷才一氏の評あり)ででた『完本・紙つぶて 谷沢永一/書評コラム 1969−78』というものだけど、今度でるのは、セブンアンドワイによる【本の内容】によると、

コラム書評の金字塔「紙つぶて(全)」の455篇すべてに詳細な自注を追記。自作自注最終版として、著者の執念と熱意の最終形が完成!

というもので、本文に自注を加えた、まさしく完本という名に値するもの。5250円という値段もさもありなん。ではなぜ谷沢さんがそれほどまでにこの『紙つぶて』にこだわるのか?それはあとがき(340頁)を讀めば一目瞭然たり。

書物の魅力に憑かれることになった十歳前後から、知らぬ間に数え年で五十歳に達した今日まで、私は結局、この『完本・紙つぶて』一卷を書くために、長い年月を経てきたのかも知れない。そう思い返しても、私は十分に満足である。

近いうちにより安い値段で古本屋に出回ることは間違いない。でも、やはり、これはケチケチせず、この一冊にこめた谷沢さんの意気込みに敬意をはらう意味で、ピンピンの新刊で購入すべき一冊である。

付けたり:この書誌情報は、
○正式の証明  http://d.hatena.ne.jp/u-sen/
○退屈男と本と街 http://taikutujin.exblog.jp/
の二氏経由で知りました。謝謝!!
更に付けたり:
上記の日記で、『紙つぶて』の値段を3900円としたが、これは間違い。トラバしてくれた
○晩鮭亭日常  http://d.hatena.ne.jp/vanjacketei/20051121
さんによると、文春の『本の話』12月号には992頁で定価5250円として掲載されている模様。手元にないので確認出来ないのが残念。とはいえ、ミスったのはおいら。ということで、上記日記の定価も訂正します。ごめんなさい&晩鮭亭日常さん、トラバ謝謝!!