中國の出版物は、『中國版刻綜録』を分母にして統計をとった大木康氏の調査にしたがえば、明も後半の嘉靖年間から、圧倒的な増加をしめす(総數は3094。うち、嘉靖以後の冊數が2019)。清朝をむかえると、これが下地となり、考證学が開花する。この考證学というのも、純粋な意味での學問ではなく、そこには、満洲人である聖祖康煕帝による、漢人を支配するための懐柔策の一環という政治的な意味合いが強いのは、いうまでもない。では、なぜ嘉靖期から、これほどまでに書物が増加したのか?
ここ數日、これに焦点をしぼって一度頭を整理してみようと、積讀本をほっぽりだし、『明史』『清史稿』などの明末清初期の部分をちまちまとひろいよみしているのだが、なかなか敵もやるもんですな。いぜんとして頭はぼんやり。まだ理解できていないということです。もっと讀みこもう。
大木康 『明末江南の出版文化』 研文出版、ISBN:4876362319