○田島優子 『女検事ほど面白い仕事はない』 講談社文庫
▽読了。この本そのものは、東大法学部を卒業後、司法試験に合格して検事となり、福島地検や東京法務局に勤務し、女性差別にあいながらも検事生活を13年つとめ、職場の上司であった堀田力氏に誘われて、福祉関係の仕事についた女性の回顧録で、それなりに面白い。▽しかし、それよりも、書き込みに興味をもった。おそらく中学生くらいの女の子だろう。赤のボールペンで可愛らしい丸文字が色々なところに書き込まれている。いくつかあげてみると、「土気色」に「ツチケイロ」、「所詮」に「ショセン」、「有為」に「ユウイ」とのルビ。「全く何をか言わんやである」の一文の欄外に「論外だ」、「つごう」の欄外に「合計」との書き込み、「惜しむらくは」には○が、などなど。田島さんの文章が教科書に出ているのかどうかは知らないけど、この女の子は、国語の受験勉強してたのかな?でも、もうぼくの蔵書印を押しちゃったから、ぼくが書き込みしたことになっちゃうのか?ま、こういった元の持ち主の書き込みなどをみることができるのも、古書のイイとこだ。