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○洪誠著 『訓詁学講義』 アルヒーフ、ISBN:4795401799

訓詁の使命は言語の解釈であり、訓詁学は、正確に言語を理解し、言語を解釈する方法を研究するもの、つまり、いかに注釈するかという注釈法の理論を明らかにするものである。言語は思想を伝える道具である。同じ種類の言語は、本来なら聞けばわかるはずのものだが、いま解釈しないとわからないということには、複雑な問題が絡んでいる。それらの問題は、歴史的に生じたものか、地域によって生じたものかのいずれかである。異なる地方の方言の間では、主な違いは方言語彙にあり、普通は翻訳すれば解決できる。一方の歴史的に生じた問題こそが、訓詁学が解決すべき対象である。(第一章緒論 第二節 訓詁と訓詁学の使命。18頁より)